各地で雪が多く、
東京でもしんしんと強い冷えを感じる今冬。
気圧や温度変化、雪も降ったりなど、
厳寒の気候の変化に翻弄されて、
たまり続けるのは「不満」と「不調」です。
1月を含む冬の時期を中医学では「閉蔵(へいぞう)」といい、
自分の殻に閉じこもり、内向的になりがちとされています。
「閉蔵」のもう一つの特徴として、
エネルギーを蓄えるはたらきがあります。
それは良いものも悪いものも蓄えるということ。
からだにとっていらないものがたまることを
「湿熱」といいます。
イライラ、不安、不眠といった心のバテ症状として現れてきます。
今回のスープは
気を巡らせる+発汗させることで湿熱や邪気を
解散させます。
季節にぴったりの食事に、
貴重な冬の太陽を浴びながらのウォーキングなどをプラスして、
厳寒時期を心身共に健やかに過ごしたいものですね。
【長ネギと長イモのトロトロスープ】
気を巡らせる+発汗させることで湿熱や風邪の邪気を
解散させるスープです
漢方薬としても使われる、からだを温める性質を持つ長ネギと、
滋養強壮して熱を高める長イモを合わせました。
味と効能のトッピングは「もみじおろし」。
大根と少量の唐辛子で味も締まり、
涼性の大根と温熱効果を持つ食材を合わせることで、
温まる効能がさらに長く続きます。
【脱力薬膳】長ネギと長イモのトロトロスープ
材料(4人分)
- 長芋 160g
- 長ネギ 2本
- 干しエビ 大さじ2強
- 干しショウガ お好みの量で
※今回はスライス8枚分入れました
(なければショウガすりおろしでも代用できます) - ブイヨン(固形) 1個
- 水 1000cc
- 白ワイン 大さじ4
- バター 3g
- 塩、コショウ 各少々
- もみじおろし お好みで
作り方
1.長芋は厚さ1㎝の半月切り、長ネギは2㎝
干しエビはぬるま湯でさっと洗う
2.鍋に長ネギ、干しエビ、干しショウガ、長イモ、水を入れて
火にかける
煮立ったらブイヨンを加え、中弱火で長ネギがやわらかくなるまで
20分ほど煮る
3.白ワインを加え、5分ほど煮て、
バター・塩・コショウで味を調える
器に盛り、おろししょうがを添える
バターは万能な薬膳食材!隠し味に是非お勧めです
「何となく太りそう…」
「からだにいいの?」
とバターを敬遠していませんか?
薬膳的に、万能なバター!
隠し味や料理のアクセントに最高の食材です。
肝・心・脾・肺・腎。
それぞれの食材や、調味料には
これら5つのからだのはたらきを助ける役割があります。
これを上手に組み合わせるのが薬膳です。
一般的には一つの食材で1~2つの部位にはたらきかけるものが
多いですが(例:長ネギ→肺と胃のはたらきを助けます)
バターは、なんと肝、脾、肺、腎
と4つのはたらきを助けます!
身体に潤いを与えることで、乾燥肌や咳、脹の乾燥の改善に。
また、疲労回復、ストレス解消、細菌への抵抗力も高めます。
栄養価が高いので、脂肪分は多めですが、
カロリーは他の油より低め。
冬のこの時期、肌の乾燥が気になる時に、
料理のアクセントとして使うお勧めの食材です。
食材の五性と性味
長ネギ消炎・解熱 冷えによる頭痛の緩和 風邪予防
性質
五性→温 性味→辛
滋養強壮 疲労感の改善 息切れや食欲不振に
性質
五性→平 性味→甘
足腰の冷え 食欲不振 体力回復
性質
五性→温 性味→甘/鹹
風寒感冒 嘔吐 冷えによる下痢 食欲不振
性質
五性→温 性味→辛
咳、便秘、皮膚の乾燥 五臓のはたらきを高める
性質
五性→微寒 性味→甘
嘔吐 消化不良 痰の多い咳 口渇
性質
五性→涼 性味→辛/甘
食欲不振 腹脹 殺菌 発汗
性質
五性→大熱 性味→辛