桜の開花も北上、一年のうちで寒暖差が最も大きく、
この気温の変化に対応するため、
からだはは交感神経の働きが優位な状態
(緊張状態)が続きやすくなります。
・疲れがたまりやすい
・免疫力が下がる
・胃腸の働きが落ちる
・肩や腰が痛くなる
・身体が冷える
・寝つきが悪くなる
などの症状があらわれやすくなります。
中医学・薬膳学では、
心身のバランスが崩れると「脾」(胃)のはたらきが弱まるととらえます。
今回のスープ・ポタージュは
胃のはたらきを整えて、心身を元気に!
をテーマに、献立しました。
・腹の張りや胃の疲労の改善など
春の疲れやすいからだに寄り添う春キャベツのポタージュ
・食欲不振や倦怠感を改善し体温調節を促す
わかめとらっきょう、ホタテのスープ
胃の不調症状は、
胃の周辺だけでなく背中にも及びます。
春は異動・転勤・新生活の始まりなど
生活が大きく変化する季節です。
普段より緊張する機会やストレスを感じることが多く、
リラックスを求めてついつい食べ過ぎてしまうことも。
胃に負担をかけ過ぎないようにすることに加え、
背中をストレッチポールなどで
ゴロゴロと刺激すると自律神経が整って元気に過ごせますよ。
◇春キャベツのポタージュ
腹の張りや胃の疲労の改善など
春の疲れやすいからだに寄り添うポタージュです
春キャベツに新ジャガイモと新玉ねぎを合わせた、
旬の野菜が持つ甘さ・みずみずしさを楽しめるポタージュです。
上にはカラっと炒った桜エビをあしらえました。
キャベツは体内にこもった熱と水分を取り除くことから、
お腹のはりや胃の疲労の改善に効果的です。
春の疲れやすいからだに。
キャベツの薬膳的効能
■胃のはたらきを促す
■むくみや便秘、皮下出血など体内の余分なものを取る
■息切れ、めまい、食欲不振の改善に
キャベツに含まれるキャベジンという成分は
S-メチルメチオニンとも呼ばれ、
「胃酸の分泌を抑え、胃粘膜の修復を助けて胃潰瘍を防止する作用がある」
とされています。
古い中医学書物でキャベツは「利五臓、調六腑」とあり、
胃に限らず、内臓のはたらきをよくすると記されています。
☆キャベツ→甘/平
玉ねぎの薬膳的効能
■食欲増進
■血液をサラサラに
■解毒・殺菌作用
■動脈硬化の予防に
玉ねぎも中国の民間療法では、食欲不振や胃もたれを改善する、
胃薬のような効能を持つものとして用いられてきました。
動脈硬化の予防や血圧降下など、血流を良くする作用も。
玉ねぎがもつ五味「辛味」は、
味わいとしても効能としてもアクセントをつける役割があります。
☆玉ねぎ→辛・甘/温
◇新わかめとらっきょう、ホタテのスープ
体内温度をうまく調節しにくい時にお勧めのスープです
気温差が大きいこの時期。
わかめとらっきょうの組み合わせで、冷えすぎたり、
熱がこもりすぎたりすることで起こる
食欲不振、消化不良、倦怠感を改善します
わかめの薬膳的効能
■便秘、むくみの改善
■からだにこもった熱や水分を排出
■おりものの多い時に
春を告げる「新わかめ」は香りも高く、 水分代謝に優れてい ます。
熱を冷ます清熱作用もありますが、体を冷やす寒性のため、
温性の食材と組み合わせることが基本です。
今回はらっきょうと組み合わせました。
★わかめ→鹹/寒
らっきょうの薬膳的効能
■陽気の巡らせ、胸痛や冷えなど不要な「塊」を取り除く
■気の流れを促進し、膨満感や胃痛、げっぷの改善
らっきょうは からだを温めて全身の血行をよくするため、
上半身はのぼせて下半身は冷えている、
冷えのぼせの解消にお勧めです。
同時に気の巡りも良くし、
気の高ぶりを鎮めて下におろすの でスッキリします。
★らっきょう→辛・苦/温
ホタテの薬膳的効能
■虚弱を補う
■体液を補い、からだを潤す
■めまい、のぼせの改善に
滋養強壮やめまい、のぼせに効果的な食材、ホタテ。
ミネラル分が豊富で、薬膳では滋強老化予防にもよく使われ ます。
からだを潤す作用も持ち、皮膚や粘膜に潤いを与えます。
目の渇き(ドライアイ)を改善にも。
★ホタテ→甘・鹹/平