5/5の「立夏」に向かい、春の土用期間(4/16~5/4)の今時季は、
気圧や気温の変化も少しずつ落ち着いて
過ごしやすい日もあるものの、
雨も多く、夜などにはまだ冷たい風が
ビューッと強めに吹いて、
まだまだ油断大敵な日々。
心身ともにバランスを崩しやすく、
春の臓「肝」の働きにくさも相まって
我慢や不安が高じると、
下痢や便秘になったり、食欲がなくなったりして
不規則な食事になることが多く見受けられます。
食事が滞ることで、
心の栄養ともいえる「血」が不足し、
イライラする、集中力がない、気が高ぶり眠れない
などの症状がプラスされてしまいます。
今回のご紹介する
【トマトと鶏ひき肉のスープ】は
食欲増進効果のある
トマトや消化を高める鶏肉と共に、
気の巡りをよくしてくれる
玉ねぎやセロリを入れた
さわやかな味わいです
トマトは多くの作用を持ちますが、
今回の目的は「健胃消食」。
胃腸の働きを高め、消化を助けるという意味です。
食欲不振の時にもよいですし、
お肉などを食べたときに
トマトを食べると消化が助けられます。
『中国食療学』には
「高血圧、動脈硬化にはトマトを常食するとよい」
とあります。
リコピンは皮に多く含まれていますし、
ビタミンAは脂溶性なので油を使って
吸収率を高めることができます。
冷蔵庫に少し日にちの経ったトマトがあれば、
今日は薬膳日和!
鶏肉でしたら、ひき肉でなくても
美味しく代用できます
手軽においしいスープで
心身ともに食養生、してみませんか?
【トマトと鶏ひき肉のスープ】
気分が落ち込んで食欲がわかない時にお勧めのスープです
食欲増進効果のあるトマトや消化を高める鶏肉と共に、
気の巡りをよくしてくれる玉ねぎやセロリを入れた
さわやかな味わいです。
【脱力薬膳】トマトと鶏ひき肉のスープ
材料(4人分)
- トマト 2個
- 鶏胸ひき肉 200g
- 玉ねぎ 100g
- セロリの軸 40g
- セロリの葉(千切り) 6~8枚
【A】
・酒 大さじ2
・塩 小さじ1/2
・コショウ 少々
- 水 1000㏄
- ブイヨン(固形) 1個
- 塩、コショウ 各少々
作り方
1.トマトは1㎝角、玉ねぎとセロリの軸は粗みじん切りにします
鶏ひき肉は【A】を振り、練らないように混ぜます
2.鍋に1.の玉ねぎ、セロリ、分量の水を入れて火にかけます
煮立ったら固形ブイヨンを加えて3分程煮ます
玉ねぎとセロリが透き通ったら、トマトを加え、
さらに2分程煮てアクを取ります
3.鶏ひき肉に2.のスープを大さじ4杯くらい注いでかき混ぜ、
ほぐれたら2.に加えます
鶏ひき肉が固まらないように菜箸で混ぜながら煮立て、
ていねいにアクを取って、塩・コショウで味を調えます
4.器に盛り、セロリの葉を飾って完成です!
セロリの葉、食べていますか?
セロリには「平肝清熱」という
春の臓「肝」の働きを改善し、
体にこもった余分な熱を冷ます
はたらきがあります。
セロリ独特の強い香りは、
その香り成分であるアピインとセネリンと呼ばれる成分は、
精神的な鎮静作用(リラックス効果)や
自律神経の安定作用があります。
頭痛やイライラの解消に効果を発揮します。
調理の際に、セロリの葉も使われていますか?
セロリの葉は緑黄色野菜としても優秀です。
ベータカロテン、ビタミンB1、B2、C、Eなど
ビタミン類や食物繊維も茎の2倍以上豊富です。
血行の促進、疲労回復、美肌、高血圧、便秘、眼精疲労に
効果があるとされています。
また、体内から無駄な塩分を排出し、むくみを防ぐカリウムや、
胃腸薬にも含まれる成分で
胃酸の分泌を抑制し粘膜をまもるビタミンUも含まれています。
中国の民間療法では、
セロリは耳鳴りやむくみ取り、更には肺熱による咳止めにも
用いられてきました。
また変わったところでは、
若返りホルモンとわれている「DHEA」様の成分が
セロリに含まれていると言われています。
不妊治療や更年期障害、認知症の予防にも一役買ってくれそうです。
セロリの持つたくさんの効能・効果を取り入れるなら
生食がお勧めです!
今回のスープのように葉は生食、茎は加熱すると
効率よくセロリを食べられますよ。
食材の五性と性味
トマト健胃消食 余分な熱を取り除く 喉の渇きを止める
性質
五性→微寒 性味→甘・酸
・からだを温め、気を補う ・膨満感、食欲不振の改善
性質
五性→平(温) 性味→甘
・解熱 ・頭痛の緩和 ・不眠の解消 ・むくみを取る
性質
五性→涼 性味→甘/辛
・気の巡りを促す ・下痢 ・胃痛や膨満感の改善
性質
五性→温 性味→甘・辛