今年は気温差・気圧差が大きく、
ぎっくり腰や筋違え、
胃腸炎や風邪などの体調不良が目立ちます。
この気温差や気圧差は
春の臓「肝」も弱めるため、
心が委縮したり、せっかちになったりと
メンタル的にも疲れやすく、
気持ちが先走ることが多くなる傾向にあります。
「肝」は中医学では
・気の巡り
・解毒
・感情のコントロール
を担当します。
「肝」がよくはたらいていると、
代謝が上がり老廃物もスムーズに排泄、
気持ちも安定します。
「肝」の機能がうまくはたらかない状態を
肝陽上亢といいます。
頭痛、のぼせ、怒りっぽい、などの熱証、
特に上半身に熱がこもる症状が出やすくなります。
【新わかめとらっきょう、ホタテのスープ】は
「寒性」の性質を持つわかめが春特有の肝熱を冷ましながら、
らっきょうの持つ「温性」でバランスを取り、
体内温度を整えます。
上にあしらった菜の花も、
「肝」のはたらきを助けます。
冬にたまった老廃物・毒を出す「苦味」をもつ植物
(たけのこ、うど、ふきのとうなど)
は排出作用が高く、春の食養生につながっています。
旬の食材で、旬の不調を緩和させる今回のスープ。
「肝」の不調は緊張しやすい状態にもつながります。
新生活が始まり、何かと気を揉み、気を配る春。
食養生で心身を整え、軽やかに過ごしたいですね。
【わかめとらっきょう、ホタテのスープ】
体内温度をうまく調節しにくい時にお勧めのスープです
気温差が大きいこの時期。
わかめとらっきょうの組み合わせで、冷えすぎたり、
熱がこもりすぎたりすることで起こる
食欲不振、消化不良、倦怠感を改善します
【脱力薬膳】新わかめとらっきょう、ホタテのスープ
材料(4人分)
- 新わかめ 120g
- ホタテ貝柱 12個
- らっきょう 4個 ※島らっきょうでもOK
- 鶏ガラスープ 4カップ
- 片栗粉 大さじ1
- 酒 大さじ2
- 塩 少々
- 菜の花の穂先(ゆでたもの) 少々
作り方
1.ホタテに片栗粉をまぶして1~2分置きます
その後一度洗い流し、塩(分量外)で揉みます
その後水で洗って水気を拭き、半量の酒をふります
※ホタテに片栗粉をまぶすことで、縮むのを防げます
2.わかめは1~2センチ幅に切り、
らっきょうは薄い輪切りにします
3.鍋に鶏がらスープを入れて火にかけます
煮立ったらホタテ、わかめ、残りの酒を加えてひと煮し、
らっきょうを加えて塩で味を調えて火を止めます
4.器に盛り、菜の花をあしらいます
苦みのある食材が「毒」を排出
春の食養生は「肝」のはたらきを助け、
たまった老廃物・毒を出すことから始まります。
今回使用した菜の花やたけのこ、うど、よもぎなど
春が旬の食材には苦みがあるものがたくさんありますが、
苦みには下に降ろす(排便)作用や排出作用があり、
解毒にぴったりです。
また、三つ葉、ネギ、木の芽など香りや辛味で巡りを
良くして、発汗作用でこもった熱や毒を発散させます。
春の味は「酸」味です。
酸味は肝に一番入りやすく、
収斂(引き締める)・固渋(出過ぎるものを押さえる)
の作用があります。
多汗や尿漏れ、おりものなどを抑えるのにとても効果的ですが、
一方、冷え症や体質が弱い人は、
この時季酸味を摂りすぎないようにしましょう。
食材の五性と性味
わかめ便秘、むくみの改善 体内にこもった熱を放出 おりものの改善
性質
五性→寒 性味→鹹
・陽気の巡らせ、胸痛や冷えなど不要な「塊」を取り除く
・膨満感、胃痛、げっぷの改善
性質
五性→温 性味→辛/苦
・虚弱を補う ・体液を補い、からだを潤す ・めまい、のぼせの改善に
性質
五性→平 性味→甘/鹹
・血液循環を促す(茎部分) ・毒素を出し気血を巡らせる(つぼみ部分)
・肩こり改善 ・イライラを穏やかに ・不眠改善
性質
五性→温 性味→辛