関東地方ではまだ梅雨入り前ですが、
スッキリしない天気が続きます。
この季節、体調不良に悩まされる理由の一つが
「湿気の多さ」。
以下のような症状が出やすくなります。
□からだがむくむ
□からだが重だるい
□頭が重い・痛い
□グルグル回転するようなめまいがする
□耳鳴り
□食欲がわかない・胃が重い
□軟便や下痢傾向である
□オリモノが多い
□関節が動かしにくい・痛い・腫れる
からだにとって適度な水分は、
健康を維持するために必要不可欠なものです。
しかし、必要以上になると話は別。
中医学・薬膳学では、余分な水分はからだに溜まり、
あちこちで悪さをすると考えています。
余分な水が溜まる原因と言えば、
誰しもが水の飲み過ぎを想像するでしょう。
しかし、「湿気の多さ」による体調不良は
外からの影響で、からだに余分な水が溜まっています。
そのひとつが「雨による湿気」。
中医学では過剰な湿気を“湿邪”と呼び、
からだに入り込み、体内の水分を必要以上に増やして
悪影響を及ぼすと考えられています。
余分な水分はからだのあちこちに溜まりやすくなり、
むくみや頭痛、めまい、食欲不振など、
さまざまな症状を引き起こす原因になると言われています。
薬膳学では、
「胃腸(脾)は乾燥を好み、湿気を嫌う」
という観点から、
この時期は湿邪を取り除く食材を多く使い、
食養生します。
今回は体内の水分、血液のバランスを取り、
停滞した胃のはたらきを促す食材「モロヘイヤ」を使いました。
熱を冷ます「トマト」、
むくみの軽減や消化不良を促進する「酸味」と合わせた
梅雨時期にぴったりのスープです。
【トマトとモロヘイヤの酸辣湯風】
体内にこもっただるさを解消するスープです
トマトと酢の酸味が血流を促し、消化機能を高めます。
「気」の滞りを整えて
体内の余分な「湿」や「血」を巡らせる万能な食材
モロヘイヤの甘味と合わさると風味がまろやかに。
豆腐を合わせて、さっぱりとした後味に仕上げました
【脱力薬膳】トマトとモロヘイヤの酸辣湯
材料(3~4人分)
- トマト 2個
- 絹ごし豆腐 1丁(350g)
- モロヘイヤ(葉) 30g
- 長ネギ(みじん切り) 大さじ2
- 鶏がらスープ 4カップ
- 酒 大さじ2
- 塩、コショウ 各少々
- ラー油 適量
作り方
1.トマトは横半分に切り、種を取って8mm角に切ります
モロヘイヤは粗みじん切りにします
豆腐は電子レンジで20〜30秒加熱し、
軽く水切りをしておきます
2.鍋にトマトと鶏がらスープを入れて火にかけ、
煮立ったら酒を加えてトマトが煮崩れるまで2分程煮ます
モロヘイヤを加えてひと混ぜし、
豆腐をレンゲなどで大きめにすくって鍋に加えます
塩、コショウで味を調えます
3.器に小さじ1分の長ネギとラー油を適量入れ、
完成したスープを注ぎます
上に小さじ1/2の長ネギを乗せ、混ぜながら頂きます!
なくせ!食品ロス~トマトの種とモロヘイヤの茎を使って美味しい一品~
取り除いたトマトの種とモロヘイヤの茎。
見た目や色合いも悪くなく、このまま捨ててしまうのは忍びない…
トマトの種は細かくつぶし、
モロヘイヤの茎はみじん切りにしました。
かなりネバネバで、からだに良さそう!
…ですが、このままだとかなり青臭いので、
レモン汁を数滴加えます。
これで青臭さもなくなり、スッキリとした味わいに。
ここから、
・しょうゆと合わせて納豆に
・ショウガとあわせて冷ややっこのトッピングに
など、様々試してみましたが、
一番美味しかったのは!
・マヨネーズ、オリーブオイル、粉チーズと合わせて
バケットにトッピング
粗挽きコショウをかるく振って頂くと、
見た目も味わいもおしゃれな一品に!
・塩、こしょうを加えて
ポテトサラダもおいしかったです
ポテトのほくほくと、
モロヘイヤのネバネバのコラボレーションは
新たなおいしさです!
どのような形にアレンジしても、
モロヘイヤの茎のネバネバとシャキシャキが
しっかり残り、
トマトの酸味が遠くの方でいいアクセントになり、
美味しかったです。
「食品ロス」の軽減につながり、
食卓に一品増えるありがたさ!
何より、捨ててしまうものを上手に使えた嬉しさが
一番です。
そのまま使うと青臭いですので、
くれぐれも「レモンを数滴垂らす」下処理をお忘れなく!
食材の五性と性味
モロヘイヤ・体内の「津」「血」を調整、巡りを促す ・胸焼けなど停滞した胃の働きを促す
性質
五性→涼 性味→甘
・熱を冷まし、渇きを止める ・暑さによるイライラやのぼせの改善
性質
五性→微寒 性味→甘・酸
・「気」をつくり脾胃を整える(食欲不振、胃もたれ、疲労の改善) ・熱を取る
性質
五性→寒 性味→甘
酢
・むくみの改善 ・於血を取り除く ・消化機能を促進
性質
五性→温 性味→酸・苦