前回内容は、
「黒クマと白髪が最近とても気になるので、対策を練りたい!」
とおっしゃる20歳後半のラパンさんのご相談から始まり、
二つのお悩みを改善する共通ポイントは
「むくみ」そして「補血(血を補う)」でした。
どのような食材が有効か…
現代栄養学と薬膳学の観点から
カリウム・ビタミンA、補血(血を補う)の食材で
「ほうれん草」「小松菜」が共通していましたね。
薬膳料理の献立は、
①主役を決めて
②できるだけ陰と陽のバランスを整えて
(温める食材+冷ます食材 。
例えば夏野菜カレー:カレースパイス=温 夏野菜=冷)
③安価で旬な素材を使って美味しく!
今回は当院向かいのセブンイレブンで1束100円の小松菜、
冷蔵庫にあった豆乳と牛挽肉、
彩りにカニカマ1袋を使った簡単薬膳レシピをご紹介します。
所要時間10分!とっても美味しくできますよ。
「脱力薬膳」 小松菜豆乳スープ
材料:4人前
・小松菜 1束
・牛挽肉 120g(合挽きでも豚でもOK)
・カニカマ 1袋
・豆乳 300cc
・鶏ガラスープの素小さじ1.5+水2カップ
・酒 大さじ1
・塩 少々
作り方
①小松菜は2㎝のざく切りに、カニカマは1本を3等分くらいの大きさに切ります。
②鍋に鶏ガラスープの素+水を入れて火にかけ、煮立ったら牛挽肉を入れて
ほぐします。
③再び煮立ったら小松菜、カニカマ、酒を加えて一混ぜ。
④豆乳を加えて塩で味を整えます。沸騰直前に火を止めて完成!
吹きこぼれ注意です!
※お好みで白ゴマを加えても美味しいですよ。
→薬膳的に陰陽のバランスが取れるので、「黒」ではなく「白」ゴマがお勧めです!
彩りを「カニカマ」にしたいきさつ
薬膳料理で「赤」の彩りによく使われるのはクコの実です。
滋養強壮、不老長寿の妙薬とされ、目にも良い食材です。
肝と腎を補いからだを丈夫に、老化を遅らせます。
甘酸っぱい味で、杏仁豆腐の上に乗っている、あれです。
ご家庭にもしあれば、カニカマではなく、このクコの実を使ってももちろん
いいのですが、作ってみたところ、お子さんには少し食べにくいかな…。
薬膳感はとても出ますが、ご飯と一緒に手軽にとなると、
もう少しクセのない、馴染みのある味にしたいと思いました。
そこで、カニカマの登場です。
カニカマに主に使われるのは、スケソウダラ(標準和名スケトウダラ)の
冷凍すり身。
タラは体力回復や肥満防止に良いとされ、肝と腎に帰経します。
冷凍すり身ですから、生食ほどの効能はないにせよ、
脱力薬膳のテーマは手軽に美味しく!
試食会でも大好評でした。
・スープの味がやさしい
・小松菜がたくさん食べられる!
(たくさん入れてもペロリと食べられてしまう)
・一度に小松菜一袋使えるのが、半端に残らず助かる
・カニカマの塩気と豆乳の甘さがちょうどよく混ざりあう
・うどん、きしめんと合いそう!
・野菜も肉もたくさん取れる
・スープジャーに入れてランチに
・白ごまを入れたら、こくが出てさらに美味しい
食材の五性と性味
・小松菜
血行促進や便秘に 五性→平 性味→甘/辛
・牛挽肉
補血や体力補強に 五性→平 性味→甘
・カニカマ(スケソウダラ)
補血や補気に 五性→平 性味→甘
・豆乳
貧血や口渇、水分代謝の改善に 五性→平 性味→甘
・白ゴマ
清熱(余分な熱を取る)、行気(気を巡らせる)に 五性→寒 性味→甘