冬に縮こまったからだをゆるめ、「陰」から「陽」へ切り替えがしやすいよう、春の食べ物は心身をゆるめる食材が多いようです。
食の陰陽理論によると・・・
「陽」=「しまる」性質のエネルギーがあり、「しまる」状態は食材の体積が小さく比重が重くなる。重くなり、下降して地中に縦に伸びる根菜など。
「陰」=「ゆるむ」性質のエネルギーがあり、「ゆるむ」状態は食材の比重が軽くなる。
地上に高く伸びる上昇の葉菜など。
「陽」になるからだを「陰」の性質のある食材で補う。それぞれ逆の性格を持ちながら、お互いに補い合って成り立っている絶妙なバランスを感じます。
春の食材には以下のようなものがあります。
(参考文献『作りおき薬膳』)
タケノコやウド、フキのような苦味のある野菜が春の旬です。
寒さで縮こまっていた身体が目覚め、陽の気が高まり、新人代謝が活発になる春。体内に溜め込んだ脂肪や老廃物を排出するため、「肝」のエネルギーが高まります。
東洋医学でいうところの「肝」は春の臓器であり、主な働きは解毒作用と血の貯蔵。冬の間は全身が寒さで緊張していますので、血管も収縮気味です。
冬の臓器である「腎」の中も、それに応じた血液の流れになっていて濾過するキャパシティも少なめです。
そこへ急に「肝」の動きが活発になることで、血が高ぶり・・・頭痛や鼻づまり、のぼせやめまい、花粉症やイライラなど、主に上半身にトラブルが出やすくなります。
首の不調(寝違えや極度のこり)でご来院される方が多いのも頷けます。
春は食事で「肝」をしっかりいたわりましょう!
4月~5月が旬のタケノコを使った薬膳レシピをご紹介
(参考文献『作りおき薬膳』)
「薬膳」となるととてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、ふだんからの食材の特性や組み合わせを考えながら作れば、立派な「薬膳」料理です。
先日、スーパーにて美味しそうなタケノコを見つけ煮てみました。
タケノコは「苦味・寒性」の食材。血液を浄化して体内の毒素を排出する力があります。からだを冷やす作用もありますので、サンショウやショウガなど、からだを温める食材と併せるとさらに効果が上がります!
『タケノコと手羽先の煮物』~手羽先はからだを温めて老化を防ぐほか、コラーゲン豊富な食材です~
材料
・タケノコ(ゆでたもの)300グラム
・鶏手羽先肉 4本(200グラム)
・酒 大さじ1
・砂糖 大さじ2
・しょうゆ 大さじ1.5
・サラダ油 大さじ1
・きぬさやえんどう 適量
作り方
1.タケノコは食べやすく切る。手羽先は関節の部分で切り分け、太い方は斜めに切れ目を入れる。
2.鍋に油を熱して手羽先を入れ、中火で両面をこんがりと焼いて取り出す。次にタケノコを並べ入れて同様に焼き色をつける。
3.手羽先を戻し入れ、酒を加える。沸騰したら水1カップ、砂糖を加えて強火にする。煮立ったらあくを取り、落としぶたをして弱火で7~8分煮る。
4.しょうゆを加え、照りが出るまで5~6分煮る。
5.食べる際に、色よくゆでたきぬさやえんどうを添える。
食材からからだに春の訪れを教えてあげられれば、右→左へのギアチェンジもスムーズにいきそうですね。