風邪は中医学では体に邪気(風邪、寒邪)が入ることが原因ととらえます。
普段、私たちは体を温めて潤いを保つ気のバリアのようなものを衛気(えいき)で邪気の侵入を防いでいますが、疲れやストレスから気が不足すると衛気が弱まり、邪気が侵入しやすくなります。
気を補いながら症状に合わせた食養生で体の邪気を追い出しましょう。
風邪の3つの状況、タイプ別 薬膳による「食養生」
1.風邪のひきはじめ
風邪のひきはじめは、寒気を感じたり、くしゃみ、鼻水が出ますね。
この段階ではからだを温めながら発汗性のよい生しょうがや長ねぎを食べて汗と共に邪気を追い出して、十分に休養を取ります。風邪のひきはじめの食養生は効果大ですが、ウイルス性の場合は効きません。速やかな受診を。
【風邪のひきはじめに効く食材】
しょうが(生)、ねぎ、みょうが、とうがらし、しそ、香菜など
2.発熱
風邪が一歩進むと発熱があらわれます。
熱が出るのは体が邪気と戦っているから。
余分な熱を取り、汗や尿で体外へ排出することがポイント。
ミントや桑の葉など涼性で発汗性の高いものや、風邪の生薬「葛根湯」と同じ原料で熱を取る性質のくず粉もお勧めです。
【発熱に効く食材】
トマト、あさり、セロリ、白魚、はと麦、くず、菊花など
3.のどが腫れて痛い。咳が出る
炎症を鎮めるミントや菊花などが良いですが、からだを冷やす作用があるので、熱が取れて炎症が治まったら摂取を控えます。
はちみつはからだを温める温性ですが、のどの痛みを緩和します。風邪で「気」が不足し、脾や胃も弱っています。
食事は消化が良くからだに負担がかからないものを心がけましょう。
【のどの痛みや咳に効く食材】
干ししいたけ、かぼちゃ、栗 ⇒これらはスープの調理におすすめ。
いんげん、はちみつ、たちうおなど。