今夏の 土用の丑の日は、
7/19と7/31、土用期間の中で丑の日が2回あり、
1回目は「一の丑」、2回目は「二の丑」と呼ばれます。
そもそも土用とは、「季節の変わり目の約18日間」のこと。
本来は夏だけではなく、
立春・立夏・立秋・立冬の直前に、年4回あります。
この世のすべては、
「木・火・土・金・水」
の5つの要素でできていると考える五行思想。
・春はぐんぐん育つ「木」
・夏は燃える「火」
・秋は実りの「金」
・冬はシンと静かな「水」
そして土は
種をたくわえ、芽を出させる土の働き(土用)
として扱われます。
季節ごとの土用は
「季節の変化の種をうけとめて芽生えさせる、
クッション的な準備期間」
という意味合いがあるそうです。
蒸し暑さで
汗がうまく蒸発できないため、
からだに熱がこもり体温調節に苦労する時季。
ムシムシして手足がだるく、動くのがおっくうになったり、
そわそわして落ち着きのなさを感じがちですが、
8/7には立秋を迎えます。
土用期間にご提供する
今回のスープ・ポタージュは
「消化器系を整え、秋をスムーズに迎え入れる準備を!」
をテーマに献立しました。
・熱のこもりと冷えが混在した「胃」の不調を整える
じゃがいもの冷製のポタージュ
・季節の変わり目、心身が不安定な時にお勧めの
甘栗と長いものスープ
ご提供期間の終盤8/23には、二十四節気「処暑」を迎えます。
「処暑」とは、読んで字のごとく
「暑さが終る」時季です。
朝夕には、時折、夏の終わりを感じさせる
涼しい風が吹きはじめ、
ある日ふと、夜風に、コオロギや鈴虫の声が
混じっているのに気がつくのです。
行楽に出かければ、
野山にススキや桔梗などの「秋の七草」を目にし、
景色も少しずつ、
秋に向かっていることを感じはじめます。
今はまだ絶賛猛暑中ですが、
ついつい敬遠しがちな湯船に浸かるのも、
秋へ向けた一つの養生です。
温度設定はぬるめの38℃以下がお勧め。
炭酸や冷感の入浴剤を入れるのもいいですね。
38℃以下のの温度設定で、夏バテ防止や疲労回復に効果があります。
食欲の秋!文化の秋!運動の秋!に向けて
体の調子を整えておきましょう。
◇じゃがいもの冷製ポタージュ
熱のこもりと冷えが混在した「胃」の不調を整えるポタージュです
夏の疲労や冷えによりこの時期不調になる「胃」は
五臓である「脾」と深い関連性があります。
お疲れの「胃」のエネルギーを益して
「脾」を立て直す食材、
じゃがいもをポタージュにしました。
隠し味にセロリの茎、上には葉を散らしました。
じゃがいもとの陰陽バランス良く、味も引き締まります。
じゃがいもの薬膳的効能
■消化器系を補って血液を作りやすくする
■胃腸のはたらきを調えて便通を促す
■エネルギーを益し、脾を立て直す
夏の疲れが胃腸に出ている、
体力を回復させたい時におすすめの食材です
☆じゃがいも→甘/平
◇甘栗と長いものスープ
季節の変わり目、心身が不安定な時にお勧めのスープです
栗は「気」を補い、血の巡りもよくする頼もしい食材。
疲労を回復する鶏肉と長イモをを合わせて
初秋の不安定な心身を整えます
栗の薬膳的効能
■胃腸を整える
■補気(元気にする)
■体力回復
薬膳学的には、
生命の源である「腎」に作用し
筋・筋肉の機能を強化します
足腰のだるさ、足の疲れ・しびれ改善に
よく使われる食材です
★栗→甘/温
長いもの薬膳的効能
■食欲不振を改善
■補気(気を補い元気に!)
■息切れやめまいの改善
■疲労回復
栄養的にはカリウム、食物繊維、サポニンを含み、
デンプン分解酵素のジアスターゼ(アミラーゼ)も含まれています。
洋の東西を問わず、山いもは疲労回復、免疫力アップ、便秘解消に使われる食材です。
生薬では、ヤマイモの外皮を除いて乾燥させたものを
「山薬」(さんやく)として用いられます。
胃腸の機能や下痢、おりものの改善の他、
スタミナをつけたいときにもお勧めです。
★長いも→甘/平