少しずつ、日没時間が早くなり
秋の気配も見え隠れしていますが、
まだまだ暑さが続き、
夏バテやエアコンによる冷えで
体調を崩す時期です。
酷暑を意味する夏の季語でもある
「三伏の候(さんぷくのこう)」。
三伏とは、夏の勢いがとても盛んで、
次にくる季節、秋の気配を伏する(降伏させる)
という意味があり、夏の最も暑い時期のことをいいます。
中華圏(中国、香港、台湾など)では、
この「三伏の候」の日におこなわれる、
「三伏貼り(さんぷくばり)」と呼ばれる風習があります。
三伏貼りは、背中に体を温める中薬を塗った湿布を貼ったり、
生姜の輪切りの上にモグサをのせたお灸をしたりするもので、
体内の冷えを汗とともに出すことが目的です。
体内バランスを調整し、
これからの季節、秋・冬へ体調不良を持ち越さない、
という考え方に基づくケアです。
三伏貼りを行うことは難しいかもしれませんが、
背中をマッサージするのは
自律神経も整い、とても有効です。
食養生されるなら、
【エビとトウモロコシのスープ】がお勧め。
からだを冷ます「とうもろこし」と
暑さでバテ気味のからだに
エナジーチャージできる「エビ」を
合わせ、秋への入り口に最適な食養生ができるスープです。
秋の臓器は「肺」。
夏季に体調を崩さないようにすることはもちろん、
秋に夏の熱を持ち越して、肺の病気を起こさせないようにすることが
この時季の薬膳学・中医学的な目標です。
「肺」と密接な関係をもつ(五臓六腑)のは「大腸」。
秋に腸が不調になる方も、この時季の食養生で
予防できますよ。
【エビとトウモロコシのスープ】
水分代謝を促して、だるさ改善!エナジーチャージ!
にお勧めのスープです
スタミナアップ・水分代謝を促すエビに、
すぐれた利尿作用をもつトウモロコシを合わせることで、
からだにたまった余分な熱や水分を排出します
上にあしらったセロリの葉がさわやかです
ほんのり甘く、さっぱりとした風味です
味のアクセントに
フェンネルシード(小茴香しょうういきょう)
を使いました。
そのスパイシーな香りは、気の巡りも良くする優れもの。
夏の疲れを飛ばしてくれるおいしさです!
【脱力薬膳】エビとトウモロコシのスープ
材料(3~4人分)
- 冷凍エビ(中サイズ) 12尾
- トウモロコシ(粒) 60g
- セロリの軸 60g
- セロリの葉 少々
- 鶏ガラスープ 800cc
- フェンネルシード 小さじ1
- 片栗粉 大さじ1
- 酒 大さじ2(半量ずつ、2回に分けて使います)
- 塩 小さじ1
- 味付け用塩 小さじ1/3
- コショウ 少々
作り方
1.冷凍エビは塩と片栗粉をまぶしてもみこんで、3分ほど置いてから
水洗いします
*この作業により、エビが縮まずプリプリの状態で召し上がれます
水洗い後、一口大に切って酒大さじ1(分量の半量)をふります
2.セロリの軸は薄切り、葉は千切りに
トウモロコシは削いで、実を取ります
3.鍋に鶏ガラスープ、フェンネル、残りの酒を入れて火にかけます
煮立ったら、セロリの軸を加え2~3分煮ます
*セロリが透きとおったらOK
4.3.にトウモロコシとエビを加え2~3分煮て、
塩コショウで味を調えます
5.器に盛り、セロリの葉を散らして完成です!
食材の五性と性味
エビ・冷えの改善 ・足腰のだるさやむくみの改善 ・だるさや疲労の解消
性質
五性→温 性味→甘
・利尿作用 ・からだにこもった湿熱を取る
性質
五性→平 性味→甘
・解熱 ・精神安定、不眠の改善 ・頭痛の緩和
性質
五性→涼 性味→甘/辛
・芳香性健胃(胃を調える) ・去痰(痰やむくみなど体内の余計な水分を取る)
性質
五性→温 性味→辛