「天高く馬肥ゆる秋」。
日中は雲がなく、一年で最も過ごしやすい季節です。
一方、雲がないことで地表の熱が逃げ、朝晩の気温差が
大きくなる季節でもあります。
昼と夜はもちろん、日ごとの寒暖差も大きくなるため、
自律神経のバランスを崩しやすい時期でもあります。
からだは急な気温の低下に慣れるのに、大きな労力を要します。
急に気温が下がった時は、ご自身の腹や尻を触ってみると、
自覚以上にからだが冷えていることを実感されると思います。
この状態を、中医学では「陽虚(ようきょ)」といいます。
からだが冷えることで、消化のはたらきや代謝が落ち、
エネルギーが不足しがちです。
今回のスープは「血」を増やしたり活性化させることで
陽虚を改善します。
この時期にやる気が起きず、思うように動けない症状「秋バテ」を
改善する食養生で、ごきげんに秋を満喫しましょう!
【青梗菜と黒木耳のスープ】
血流を大きく促す青梗菜と黒木耳、
血を補う鶏もも肉のトリプル効果で、心身を元気にするスープ
【脱力薬膳】青梗菜と黒木耳のスープ
材料(4人分)
- 青梗菜 小2株(200~250g)
- 黒木耳 6g
- 鶏もも肉 200g
- おろししょうが お好みの量
- 鶏がらスープ 1000cc
- 酒 大さじ2
- 塩 小さじ1/2
作り方
1.黒木耳は水で戻し、
青梗菜は軸は食べやすい大きさに、葉は斜めにざく切りにします
鶏もも肉は一口大に切ります
2.鍋に鶏ガラスープ、鶏もも肉、黒木耳を入れて火にかけます
煮立ったら酒、青梗菜の軸を加え4~5分煮ます
3.鶏もも肉に火が通ったら、
4.器に盛り、おろししょうがを添えて完成です!
黒い食材で、美しく健康に!
薬膳学では、黒い食材は疲労回復や美容に効果的とされます。
「黒」は五行の色彩で「水」の場所にあり、
アンチエイジングや健康長寿を司る「腎」のはたらきを助けて
エネルギーをチャージできる…というわけです。
元は同じ食材でも、黒色と白色では効果が異なります。
今回使用した木耳は、
からだに足りない「水」を補う作用が強い食材ですが、
特に黒木耳は「血」を巡らせるので、からだを温めたり、
免疫アップ、肩こりにも良いとされます。
白木耳はからだ全体の「水」を強く補いますので、
咳を鎮める、皮膚の乾燥や痒みを緩和したい時にお勧めの食材です。
そのほか白色と黒色で効能が異なる食材といえば、ゴマ。
黒ゴマは貧血予防や耳鳴り、血流改善に、
白ゴマは腸を潤すことで便秘の改善や肌を潤うのにお勧めです。
潤したいなら白色、
元気になりたい時は黒色。
体調に合わせて、上手に食材選びをしたいですね。
食材の五性と性味
青梗菜血液循環を良くする うっ血や血管拡張の緩和
性質
五性→涼 性味→甘/辛
空咳、口の乾き、乾燥肌などを潤す 血液循環を良くする
性質
五性→平 性味→甘
からだを温める 補気
性質
五性→温 性味→甘
悪寒・発熱 喉の痛み 頭痛の改善に
性質
五性→微温 性味→辛