まだまだ残暑厳しい9月上旬ですが、
秋分も近づく、太陽の位置が夏から秋に移動する手前のこの時期は、
性質が活発な「陽」から内向的な「陰」へ移り変わっていきます。
秋の臓「肺」とその六腑「大腸」に負担がかかることで、
からだの内外が乾燥して便秘や乾燥肌に悩んだり、
悲しさや虚しさを感じて行動が起こしにくくなったり、
眠りが浅く、スッキリ起きられないことがあります。
今回のスープ・ポタージュメニューは
・「気」と「血」を補う食材・タラをメインに、
味と効能のアクセント、サフランと枳実を合わせ
気持ちの安定や安眠にお勧めのスープ
【 タラの薬膳ブイヤベース風】
・「精気」を養い、気力・体力回復を促す【栗のポタージュ】
をご用意しました。
乾燥の季節に流行り出す「のどの風邪」の予防も兼ねて、
スープ・ポタージュで不調を改善し、
心身を整え気持ちの良い秋を過ごしましょう!
◇栗のポタージュ
「精気」を養い、気力・体力回復を促すポタージュです
・クリは薬膳学では、
①健脳
②益胃・下痢の改善
③強筋→腰膝の衰えに効果的
とされています。
中国では古来より 「栗子(リッシ)」という名前で
生薬のひとつとしても用いられてきました。
薬膳学では、「脾」「胃」の機能を高めることはもとより、
精気を補い、筋力を強める食材としてよく使われる食材です。
★クリ→甘(微鹹)/温
・上にあしらったピーカンナッツ。
バターの木と呼ばれるクルミ科の落葉高木から採取され、
薬膳学的効能は
①冷え症
②慢性咳の緩和
③便秘改善
とされています。
血液の構成成であるヘモグロビンと、
鉄を結びつける銅を豊富に含んでいるため、
貧血予防にも効果があります。
ほかにも副腎脂質ホルモンの働きを高め、
ストレスを和らげる効能があるパントテン酸や、
豊富な抗酸化成分でアンチエイジングや生活習慣病の予防、
免疫力の向上にも役立ちます。
☆ピーカンナッツ→甘/温(熱)
◇タラの薬膳ブイヤベース風
「気」と「血」を補い、気持ちの安定や安眠にお勧めのスープです
タラは「気」と「血」のどちらも補う頼もしい食材。
薬膳の効能や味のアクセントによく使われる
サフランと枳実(乾燥青ミカン)を合わせることで、
補った「気」を全身に巡らせることで心身が安定します。
・タラは漢方では、
①補気(元気にする)
②補血
とされています。
体力の低下やめまいなど、心身共に精をつけたい時にお勧めの食材です。
中医学では「血」は熱をつくる大切な要素。
補血することでからだが温まり、気持ちも安定します。
★タラ→甘/平
・サフランは「蕃紅花」(甘/平)
・青ミカンは「枳実」(苦辛/微寒)
と呼ばれ、どちらも薬膳のアクセントや効能に欠かせない食材です。
今回のスープでは、サフランはストレス軽減、
青ミカンは、タラとサフランで
「補気」したものを全身に巡らせる=「理気」するはたらきを担います。