今回の限定メニュー初日の翌日5月5日は立夏。
爽やかな風が木々の間を渡り、新録が美しく映る季節です。
春に別れを告げ、夏の始まりです。
梅雨前の束の間、気持ちの良い時季ですが、
この時季の特徴は陽気が盛んになることで
精神面が不安定な人は
自律神経のコントロールができなくなり、
イライラ・のぼせ・頭痛などの症状が見られます。
急に気温が上昇する時季、
からだが暑さに対応しきれずに
熱がからだにこもってしまうことで心身のバランスが
取りにくくなることも多いです。
今回のスープ・ポタージュは
「暑さに慣れないからだを元気に!」
をテーマに、献立しました。
・体内にこもった熱や水分をスッキリさせる
アスパラガスのポタージュ
・暑さに慣れないからだの疲れを取る
あさりとしめじと卵のスープ
今年は羽を伸ばせるゴールデンウィーク、
久々の遠出の後に
お疲れも出やすくなります。
そこにこの時季盛んになる陽気が乗っかると
心身のバランスが取りにくくなりがちです。
心身をクールダウンする
今回の限定スープ・ポタージュが
心とからだのバランスを取ってくれます。
◇アスパラガスのポタージュ
体内にこもった熱や水分をスッキリさせるポタージュです
アスパラガスの濃い味わいが楽しめます
仕上げに粉チーズをたっぷりあしらえ、
よりこくのある味わいに仕立てました
アスパラガスの薬膳的効能
■口内の渇きの改善
■むくみを取る
■咳・喉の痛みの緩和
アスパラガスは
「清熱滋養」
体内の余分な熱をさまし炎症を抑え、かつ身体の栄養となる
という意味があります。
カロチン、ビタミン類、食物繊維を豊富に含み、
栄養価に優れたアスパラガス。
アスパラギン酸が疲労のもととなる物質を分解し、
エネルギー代謝もサポートします。
日頃から疲れが気になる人やスポーツをする人におすすめです。
☆アスパラガス→甘/涼
◇あさりとしめじと卵のスープ
暑さに慣れないからだの疲れを取るスープです
潮の香りがふわっと体に沁み込む、
旬のあさりをたっぷり使ったスープです。
血を養うしめじと卵を一緒に使うことで、
からだを冷ます性質を持つあさりの効果が
さらに引き立ち、からだに長く多く作用します。
あさりの薬膳的効能
■体内にこもった熱を冷ます
■黄痰やねばねばした痰、しつこい咳に
■冷たいものをやたらと欲する時の熱冷ましに
あさりの貝殻にはミネラルが豊富に含まれることは
広く知られていますが、
漢方薬でも「蛤利粉(ごうりふん)」という名で
使われています。
あさりのタウリンが肝臓の機能を高め、
薬膳的性質から余分な熱や水運を排出するので、
疲労回復にとても良い食材です。
★あさり→甘・酸/寒
しめじの薬膳的効能
■「血」を補う
■胃痛やげっぷの改善に
「血」を補う性質から、
肌や髪にうるおいとツヤを与え、
気持ちを安定させる作用に優れています。
栄養学から見ても、
ノンレム睡眠を長くするといわれる「オルニチン」の含有率が
とても高いです。
睡眠を妨げるストレスが軽減、
睡眠に関わるホルモンの分泌を促進していると考えられている
「オルチニン」。
不眠時はもちろん、
気分がひどく落ち込んでいる時や
生理前の気持ちが不安定になりやすい時期に
しめじを使ったメニューを増やすと良いでしょう。
★しめじ→甘/平(微涼)
卵の薬膳的効能
■のどの渇き、声枯れに
■体力の回復
特に卵黄には不足している体液や血液を補い、
体を潤す効果があります。
病気の方や虚弱体質の方に元気を与えるので、
妊婦や赤ちゃんにもおすすめです。
特に春の卵は生命力が強いと考えられ、
からだを潤して空咳を鎮めたり、
血を養うので、不眠やめまい、不安感に効果的です。
『完全栄養食品』といわれるように
質のいいたんぱく質も多く、
卵の鉄分は吸収が高いので、貧血予防にも良い食材です。
コレステロールを気にして控えている方も、
卵にはコレステロールを下げる働きのある
レシチンも含まれているので
神経質になり過ぎず、バランス良く摂取できるといいですね。
★鶏卵→甘/平