気温差がとても大きいきょうび。
寒くなったり暖かくなったりを、
大きな揺れ幅から徐々に小さくなり、
春になることを考えると、
もう確実に春の入り口に立っているように思います。
…とはいえ、気候の変動に翻弄されて
冬に疲れてきている頃です。
その状態を「腎虚」といいます。
冬の臓「腎」の気が不足(元気がなくなる)、
下半身に位置する臓器の機能が低下した状態で、
様々な全身症状をもたらします。
症状としては
・身体がだるい、倦怠感
・腰痛、肩こり、手足のしびれ
・なかなか温まらない冷え
・喉がよく渇き、夜中に度々トイレに起きる
などが代表的なものです。
今回のスープ・ポタージュは
「腎」を元気にして、風邪予防!
をテーマに、献立しました。
・腎にはたらき、気血を補う カリフラワーといわしのつみれスープ
・内臓にこもった熱を取り風邪予防する 白菜のポタージュ
西日本では恵方巻きと同様に,
いわしを節分に食べる習慣があるそうです。
ヒイラギの枝にいわしの頭を刺して家の門前にさして、
邪気を払う習慣から来たと言われ、
いわしの臭いとヒイラギのトゲで
鬼を追い払う意味があるそうです。
節分の日に、
エネルギーを補って血の巡りを良くして体を元気にする
いわしを食べるようになったのは、
冬から春への季節の変化に順応していく先人の叡智。
食養生で心身元気に春への準備を進めましょう!
◇白菜のポタージュ
内臓にこもった熱を取り風邪予防する ポタージュです
白菜のほんのりとした甘味、まろやかさと融合するのは
粗挽きコショウと
フードドライヤーで乾燥させたカリカリのベーコン。
パンチの効いた食感と味わいは、
お腹が心地よく満たされます。
白菜の薬膳的効能
■風邪の予防
■高血圧・高脂血症の予防
■便秘の改善
白菜は漢方としても用いられており、
風邪の治療に白菜の根と、白ねぎと生姜を合わせて
煎じたものを服用します。
熱を下げ、咳の粘膜の炎症を鎮めることから、
「葛根湯」と同じく風邪の予防に効果があるとされます。
また白菜は内臓に溜まった熱、
特に胃腸の熱を取り去るため、消化器のはたらきを正常にします。
便秘や、便秘から来るにきびの改善にもよく使われます。
☆白菜→甘/涼
ベーコン(豚肉)の薬膳的効能
■陰液(体内に必要な水分)を補い、臓腑を潤す
■足裏にこもった熱感を取る
■のどの渇き、皮膚の乾燥、空咳の改善
中医学で「陰」は体液や血液、骨などを指し、
「陽」は体の機能面を言います。
豚肉は「陰」を補う食材と考えられ、
乾燥が原因となって起こる不調から胃腸の働きを改善し咳を抑えたり、
肌のかさつきなどに効果的で、
体の調子を整える食材として扱われています。
栄養学で豚肉は
ビタミンB1が豊富に含まれているとされます。
ビタミンB1は、ご飯やパンなどの糖質がエネルギーに変わるのを
助ける働きがあります。
これは、別名「疲労回復ビタミン」とも呼ばれ、
疲れの原因である乳酸が体内に溜まるのを防ぐほか
脳や中枢神経の働きにもかかわっています。
☆豚肉→甘・鹹/平
◇カリフラワーといわしのつみれスープ
腎にはたらき、気血を補うエナジースープです
つみれの出汁がきいた、おすまし風の上品な味わいです。
カリフラワーは腎にはたらきかけ、精をつけるほかに
脳も元気に!
心身の疲労回復に効果的なイワシに含まれるDHAも、
脳と神経のはたらきを活発にします。
いわしの薬膳的効能
■気や血を補う
■眼精疲労
■動脈硬化、血栓の予防
体の気力と血けつを補いながら(補益気血)、
血の巡り(活血)を良くしていきます。
中医学では
「久視傷血」(物を見続けて目を使い過ぎると血を傷つける)
という言葉があります。
現代では、パソコン・テレビ画面を長時間見て
目を使いすぎると血を消耗し、目がかすむなどの症状がでます。
鰯には消耗した血を補う働きがあり、
疲れ目に効果があるといわれます。(明目)
また、活血作用により
動脈硬化、血栓の予防など、
いわゆる「血液サラサラ」効果があるともいわれます。
★いわし→甘/温
カリフラワーの薬膳的効能
■腎の陰陽を補い、筋・筋肉を強化
■健忘、記憶力低下の改善
■めまい、足腰のだるさに
カリフラワーは「菜花」と呼ばれ、
漢方・薬膳学では、強壮効果があり、免疫力を高め、
がんのリスクを減らすとされます、
栄養学的にはカリフラワーのビタミンCは
加熱しても失われにくいことから
「畑のレモン」とも呼ばれ、
美肌や免疫力アップに効果が期待できます。
また、食物繊維がキャベツや白菜よりも多く
低カロリーなことから、
海外ではダイエットフードとしても知られ、
カリフラワーを細かくしてお米の代わりに食べる
「カリフラワーライス」も人気があるそうです。
★カリフラワー→甘/平