入梅し、湿度と気温の高さもいよいよ本格的に。
夏至に向かって太陽の位置が高くなるこの時季は
「芒種」と呼ばれます。(2020年は6/5~6/20の間)
芒種は稲や麦などの穂の出る植物の種をまく時期といわれています。
稲の穂先にあるハリのような突起を「芒」ということから芒種と呼ばれるようになりました。
季節的にはしとしとと雨が降り、梅雨が始まります。
暖かくなり始めた割にじめじめとしていることから、
汗をかきにくく水分代謝がうまくいかずに肌のトラブルに発展しやすい時期です。
また、汗をかかないと毛穴が閉じてしまうことで熱が内にこもり、
内臓の炎症などを起こしやすい時期でもあります。
こもった熱で抵抗力が落ち、風邪を引きやすくなったり、
口内炎などのトラブルも多くなります。
発汗は自律神経の作用です。
汗をかかないと、自律神経のバランスが悪くなり、さまざまなからだの不調が起こります。
そのため、運動を定期的に行うなど、血液循環をよくして汗をかくようにすることが大切です。
今回は、トマトと酢の酸味で血流を促し、消化機能を高めるスープです。
陰虚(陰の気が足りず、水分が上手に巡らない)や、
気滞鬱血(気の巡りが悪く、血行の良くない)の改善など
万能な食材モロヘイヤの甘味と合わさると、風味がまろやかに。
酸味+甘味の組み合わせは、
さらに唾液が出て体に必要な水分を生みだしてくれます。
【脱力薬膳】トマトとモロヘイヤの酸辣湯風
材料(4人分)
- トマト 2個
- 卵 2個
- モロヘイヤ 20g
- 長ネギ(みじん切り)小さじ4
- 鶏がらスープ 800cc
- 酒 大さじ2
- 酢 大さじ2~3
※お好みで調整してください。今回は大さじ3使いました - 塩コショウ 各少々
- ラー油 適量
- 【A】・酒 大さじ2 ・塩 少々
作り方
1.トマトは横半分に切り、種を取って8mm角に切ります
モロヘイヤは粗みじん切りにします
卵は【A】を加えて溶きほぐしておきます
2.鍋にトマトと鶏ガラスープを入れて火にかけ、
煮立ったら酒を加えてトマトが軽くくずれるまで2分ほど煮ます。
3.モロヘイヤを加えて一混ぜし、溶き卵を回し入れてかき混ぜます。
ココがポイント
口当たりよく飲みやすくなります!
4.塩とコショウで味を調えたら、一度火を止め、
5.器に長ネギのみじん切りを入れ、4.のスープを注ぎ、
最後に辣油を回し入れて完成です!
栄養価も薬膳的効能も高い!モロヘイヤ
エジプト原産のモロヘイヤは、かつて王様の病気を治したことから
「王様の野菜」という異名を持つ栄養価の高い野菜です。
モロヘイヤが日本に入ってきたのは、1980年代のこと。
栄養価はベータカロチン、ビタミンC、ビタミンB2はトマトやニラの3倍以上、
このほかカルシウムや鉄分といったミネラルや食物繊維を多く含んでいます。
薬膳学的には、からだを冷ます涼性の食材として、
今時季から夏にかけて、重宝される食材です。
モロヘイヤの薬膳的効能
■血液循環を改善
■体内の水分を生む
■胸焼けなど停滞した胃の働きを促す
■暑さによるバテを解消
血液循環やむくみの改善にお勧めな食材!「酢」
・酢の薬膳的効能
■血液循環を改善し、溜まった血を取り除く
■胃腸に停滞する飲食物を取り除き、消化機能を促進
■むくみの軽減
■気を巡らせる/特に皮膚に停留した不要物(化膿症など)の軽減に
その他、クエン酸には筋肉中の乳酸を分解してこりをほぐす作用があり、
疲労を回復します。
また、胃液の分泌を促すので、食欲を刺激して消化を助けます。
「酢」にも様々種類がありますね。
穀物酢⇒小麦・とうもろこしが原料でさっぱりした味。ドレッシングに合う。リーズナブル
米酢 ⇒米が原料。穀物酢より味にコクとまるみがある。穀物酢よりお値段高め
黒酢 ⇒玄米が原料。代謝を上げるなどの効能があるアミノ酸が、穀物酢の10倍
果実酢⇒果物が原料。米酢よりまろやかな味なのでドリンクに使いやすい
今回は穀物酢を使用しました。
さっぱりとした味わいになります!
食材の五性と性味
モロヘイヤ血液循環の改善 体内の水分を生む
性質
五性→涼 性味→甘
血液循環を改善 むくみを取り除く 気を巡らせる
性質
五性→温 性味→酸/苦
陰液を滋養してからだを潤す 血を養い精神の安定に
性質
五性→平 性味→甘
熱を取り除く 喉や口の渇きに
性質
五性→微寒 性味→甘/酸