冬将軍が到来し、西高東低の気圧配置になると、
こんな季節には「気」「血」の流れを促すサバがお勧めです!
今回は、サバとからだを温めるキムチと合わせてスープにしました。
キムチはニンニクや唐辛子など、からだを温める作用はもちろん、
キムチの辛みがサバのクセをやわらげてくれます。
缶詰のサバを使うことで時短+骨まで丸ごと食べられます!
サバを崩さず使うことで、食べ応えのある食感がさらに美味しさを引き立てます。
【脱力薬膳】サバと白菜キムチのスープ
材料(4人分)
- サバ缶詰水煮 2缶
- 白菜キムチ 200g
- セリ 1/2株(おおよそ40g)
- 酒 100cc
- 水 600cc
- 塩 適量
作り方
1.キムチは食べやすい大きさに切ります。セリは1㎝幅のざく切りに。サバ水煮は酒30ccを振り、缶の汁は取っておきます。
※サバの身はほぐさずそのままの大きさにします
2. 鍋にサバ缶の煮汁、酒70cc、分量の水を入れて火にかけます。煮立ったらキムチとサバを加えて、中火で2分程煮ます。
お好みで塩を入れ、最後にセリを加えて完成!
サバは 「気」と「血」を補う→気持ちの安定に作用します
サバは補血(血を補う)、活血(血を巡らせる)他に、
補気(気を巡らせる)作用もあり、心身共に元気になる食材です。
中医学での「気」は、「
「血」は読んで字の如く、また、体内温度を上げる役割もこなします。
「血」の不足は不安感を生みやすい特徴があります。
冬至に向かって日照時間が短くなり、セロトニンが不足気味になったり、
また、寒い中大掃除や忘年会などの行事が多く、
心身の疲労がたまりがちで元気も少なめになりがちです。
そんな時に、サバをチャージ!
血液循環が良くなり、イライラや不安も解消します。
体内循環をより高める作用が強いので、むくみの軽減や美肌にも。
また、最近では栄養効果が高いスーパーフードとして認知され話題になっていますね。
認知予防、学習機能向上にも効果的と言われています。
白菜キムチは究極の薬膳食材!
薬膳の考え方では、白菜の味は「甘く」、性質は「身体の熱を取る」という分類になります。
熱を下げ、咳の粘膜の炎症を鎮めることから、「葛根湯」と同じく風邪の予防に効果があるといわれています。
温熱性のにんにく、生姜、唐辛子を組み合わせるキムチは、
白菜の他、大根、胡瓜など涼性の野菜が多く、陰陽を上手に組み合わせた絶妙な薬膳食材です!
その上、発酵食品ですから、ますます元気に。
スープなど料理に使うものは、発酵が進んで酸味が出たキムチがよい塩梅です。
セリは味と効き目のアクセント
薬膳の考え方では、芹の味は「甘く」、性質は「体の熱を取る」という分類になります。
芹には以下の効能があるとされています。
■身体の余熱を取る
■血圧を下げる
■胃を丈夫にする
■利尿作用
■血液を浄化する
■生理を調整する
中国の民間療法では、風邪で咳が出る場合に、よくセリが用いられます。
発熱などで、肺の中まで熱くなっていると考えられるので、その余分な熱を排出して咳を鎮めます。
今回のスープでは、サバや白菜キムチの温める性質をより長く保つために、
逆の性質=冷ます食材のセリを加えました。
味のアクセントになる上、反対の性質を持つ食材を少量加えることで、
陰陽が拮抗してメインの効果(今回は温める)をより長く持続させることができます。
薬膳学の組成原則「君臣佐使」に基づく考え方です。
・からだの状態や目的に適合する主要食材を「君」(君主の意)
・主要食材を補助する材料を「臣」(大臣の意)
・「君」の食材効能をより高めるために入れる反作用の食材を「佐」(補佐の意)
・味付けなどその他の食材や調味料である補助食材を「使」(使用人の意)
今回のスープでは
サバ→君 白菜キムチ→臣 セリ→佐 酒→使
となります。
君臣佐使がバランス良く施膳された薬膳料理は、味も効能も上等です!
食材の五性と性味
サバ血行促進 体力回復 老化防止に
性質
五性→温 性味→甘
発熱 口渇 便秘に
性質
五性→涼 性味→甘
解熱 利尿に
性質
五性→涼 性味→甘/苦