9/23の秋分の日から、「陰」の季節へ。
中医学では24に分けて季節・気候を表します。二十四節気といいます。
その中で、秋分、春分は陽と陰が交わるところ。秋分、春分はそれぞれ陰陽転化の日です。
秋分の日を境に陽が減っていき、冬至に向けて陰が増え、
陰盛(陰の要素が強くなる)になっていきます。
陰の要素が強くなる状態というのは、
自然界では、夏の陽盛から陽気が徐々に減って陰気が少しずつ増加、
日が短くなり気温も下がり、草木は紅葉し実を結びます。
それに伴って私たちのからだも陰の「気」が増すので、
どこか不安感やもの悲しさが出たり、
眠りが浅かったりうまく寝られなかったり。
心身が陰になることに加えて、空気が乾燥することもあり、風邪を引きやすい時期でもあります。
秋分の日を過ぎ、陰が増えていくこの時期は、陽の食材を補って心身のバランスを取ります。
陰のピークである冬至(今年は12/22(日))に向けて、良質な睡眠と食事で元気に!
タラを使った、気を補って気持ちの安定や不眠に効果的なスープをご紹介します。
味のアクセントにもなるサフランと青ミカンの効能も見逃せません。
【脱力薬膳】タラの薬膳ブイヤベース風
材料(4人分)
・たら(切り身) 4切
・トマト缶(カット状) 1缶
・玉ねぎ 1/2個
・セロリ 60グラム
・ブイヨン(固形) 1個
・水 800cc強
・塩 少々
・酒 大さじ1
・サフラン 3つまみ ※カレー粉やターメリックでもOK
・枳実(青ミカンを干したもの) 1スライスをはさみで細かく切る
※オレンジやミカンの皮の千切りでもOK
★タラの下処理に、酒大さじ1と塩少々を準備しておきます
作り方
1.タラは水で洗って水気を拭き、骨を取り除いたら、3~4等分に切って★をふります
2.玉ねぎとセロリはみじん切りにします
3.鍋に2.と分量の水を入れて蓋をし、強火にかけます
煮立ったら弱火にしてカットトマト(煮汁ごと)とブイヨンを加え5分ほど煮ます
4.たら、サフラン、酒を加え蓋をして弱火で分ほど煮ます
塩で味を整え、器に盛って枳実をあしらいます
「気」と「血」を補ってくれるタラ
タイトルの「眠りが浅い」時はもちろん、
・疲れが取れない
・このところ情緒不安定気味
・なんだか、目がやたら乾く
・生理不順
こんな症状は「血」が足りないですよ、というサインです。
タラは薬膳効能として
①補気(元気にする)
②補血(血を補う)
とされています。
体力の低下やめまいなど、心身共に精をつけたい時にお勧めの食材です。
中医学では「血」は熱をつくる大切な要素。
補血することでからだが温まり、気持ちも安定します。
いい味だして、効能バツグンなサフランと枳実!
サフランは「蕃紅花」
青ミカンは「枳実」
と呼ばれ、どちらも薬膳のアクセントや効能に欠かせない食材です。
今回のスープでは、
サフランはストレス軽減、
青ミカンは、タラとサフランで「補気」したものを全身に巡らせる
=「理気」するはたらきを担っています。
ブイヤベースでは酸味にレモンを入れて味を調えますが、
青ミカンやオレンジでもかなりイケます!
絞り汁よりも、皮などをそのまま小さく切って入れると、
タラの甘みとトマトの酸味の両方がさらに引き立って、とっても美味しくなりますよ。
青ミカンは今時期が最盛期。
当院併設の薬膳カフェ 日月では、
まとめて購入し、薄くスライスして干したものを常備しています。
建物内に広がる香りは、この季節の風物詩です。
そのまま食べても程よい酸味と甘みがあります。
薬膳料理にはもちろん、紅茶や花茶入れてもスッキリした味わいに。
薬膳カフェ「日月」でこのスープをお召し上がり頂けます!
当院併設の薬膳カフェ「日月」で、フードメニューを始めました。
旬の野菜を使って、様々なスープやカレーをお楽しみ頂けるようにしました。
10月20日頃までは
・くりのポタージュ(上にあしらったピーカンナッツとの相性がクセになります)
・今回ご紹介したタラの薬膳ブイヤベース風
・薬膳キーマカレー
をご提供しています。
お近くにいらした際は、是非ほっと一息、お立ち寄り下さい!
食材の五性と性味
・タラ
補血、補気に 五性→平 性味→甘
・玉ねぎ
胃を整える、「血」「気」を巡らす 五性→温 性味→甘/辛
・セロリ
血を巡らせたり熱を冷ます 五性→涼 性味→甘/苦
・サフラン
ストレス軽減、美肌に 五性→平 性味→甘
・枳実
理気、便秘や腹の張りに 五性→微寒 性味→辛/苦